常滑を散策

中部国際空港から北海道に帰るので空港の近くの「常滑」を散策しました。
常滑には高校時代に小田原から来た思い出があって懐かしく。また焼き物の産地の風景は旭川で一人、陶芸に励んでいる僕にとっては里に帰って来たような感覚すらあって、心が休まるのです。

​常滑は鎌倉時代に強度のある大きな甕を作る技術を確立して、海が近いという立地条件から日本各地に輸出していました。
北海道の遺跡からも出土するほどです。
鎌倉時代中期になると北海道では土器づくりをしなくなってしまいますが、焼物の完成度の違いもあって作るより交易で得た方がいいとアイヌの人たちは考えたのかもしれません。

現在は使われていませんが、常滑には大きな登り窯がまだ残されています。

近代になると土管を大量生産する技術を開発し、常滑は一層繁栄しました。
常滑の土管は日本人の暮らしを、今も土の中で支えています。

土管の焼成は薪ではなくて石炭が使われるようになりました。
薪を使う登り窯だと、斜面を登ったり降りたりして作業しなければなりませんが、
石炭の窯(倒炎式角窯)では、平地で作業が出来るので作業効率が格段に上がったと思われます。

​重油、灯油、電気などにエネルギーが変わると、石炭窯も使われなくなります。

常滑の道を歩いていると、放棄された石炭窯をよく見かけます。

常滑の小学校の塀には、生徒さんが作ったオブジェが飾られてあって、何とも「焼物の町らしい」。
前を通るたびに自分の作品が気になるでしょうね。

今回、初めてINAXライブミュージアムに行ってみました。
INAXといえばタイルやシャワートイレが有名な企業です。

展示保存された大きな石炭窯の中に入る事が出来るのには驚きました。
焼物になった気分でこの窯の中で長い時間を過ごしました。
この大きな空間全体が、1270度の高温になるのですから凄いものです。

この美術館には、この他、展示資料も豊富で、特に建築壁面に装飾として使用されていたテラコッタを解体後に保存展示しているのには感銘を受けました。

​世界のタイルも豊富に取り揃えてあって、なかなか見応えのある内容でした。

​夏休みということもあって、こども達を対象に体験イベントも数多く開催されていて、家族連れで賑わっていました。

​焼きもの産地は何とも居心地がいいものです。
全国各地から若者達が集まってくるのもそうした空気感が魅力なのでしょう。

長い歳月をかけて作り上げた空気感に一日中浸って、陶芸家としての英気を養いました。
旭川に帰って、バリバリ作るぞ!と力強く空港に向かいました。

愛知県の旅

伊勢神宮に来るのは初めてです。
まずは外宮に参拝しました。
真夏のジリジリとした暑さの中での参拝でしたが、鳥居をくぐると不思議と凛とした雰囲気に包まれ、清らかな気分になりました。
いにしえの歴史を物語るように多くの巨木が神々しい。

特に参拝したかったのが大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)「土、土地の神様」。
陶芸家として特に念入りに日頃の感謝を込めて参拝いたしました。

そして内宮に移動。
「天照大御神」日本民族の総氏神。
当然ながら日本民族の根本をなしている自然信仰の拠点としてその存在は揺るぎないものです。
厚い信仰心は今日の日本でも確かなもので、多くの参拝者でにぎわっていました。

近くの猿田彦神社にも参拝して、伊勢の名物「赤福」と「伊勢うどん」を戴きました。

伊勢から名古屋に急いで戻って、次に向かったのは名古屋市にある
チベット仏教寺院強巴林(チャンバリン)です。
日本唯一のチベット寺院として有名で、念願かなって行く事が出来ました。

日本の風景の中に、いきなり現れるチベット寺院の様相に目を疑いました。
中に入ってみると美しい仏画の数々、そしてお釈迦様のお像。
チベット寺院の様式を忠実に習って建造されたそうで、なかなか行く事が叶わないチベットへの熱い想いが募ってきました。

5世紀にインドで生まれた「密教」を色濃く残しているチベット密教は「弘法大師 空海」が中国から伝えた日本の密教とは違いはあるものの、根幹は共通ということもあるので、まったくチベット仏教を知らないとしても、仏教を少し分かっていれば理解できるものです。ちなみにこのチベット寺院はツォンカパを開祖としたチベット仏教ゲルク派に属しているようで、ダライラマの宗派と同じです。
本場のマンダラをたくさん見られるかと思いましたが、残念ながらそれはありませんでした。

参拝したあとには近くのカフェ「パルコル」でチベットカレーを食べ、バター茶も頂き、チベットの雰囲気を満喫しました。