薪窯づくり4 生まれ変わる窯

(2014年10月14日 記事)

旧旭川温泉の浴場があった場所を窯場にしようと考えてから3年。
ようやくコンクリートで仕切られた壁や浴槽などをすべて壊すことが出来ました。
ハンマー、削岩機、コンクリートカッターなどフル活用で自力での工事でした。
いよいよ薪窯を作る段取りが始まります!

でも、、、その前に、、、、。

突然ですが、実は、、薪窯をすでに僕は持っていました。
平成21年2月に他界された陶芸家平塚昌男先生から受け継いだ窯です。
平塚先生とは若い頃に陶器市でよくご一緒する機会がありました。
平塚先生は北海道の南部、襟裳岬近くの様似町で作陶されていました。

窯は町内の馬の育成牧場の敷地を間借りして築かれたものでした。
平塚先生がお亡くなりになってからしばらくして、土地の所有者が窯を僕に譲りたいと連絡を頂きました。
窯は半地下式の穴窯で、信楽の修行先で使っていたものと形態は同じでした。
平塚先生は「赤蝦夷焼き」というものをテーマに作陶されていました。ベースは信楽の粘土による焼き締めと推察します。
穴窯は、燃料を燃焼させるところと作品を置くところが一緒の空間の窯で、一方方向からの強烈な火焔の流れによって器物に豊かな表情を持たせられるのが特徴です。平塚先生の狙いもそこにあったと思います。しかし、穴窯は薪の使用量が多く、非常に温度のコントロールの難しい窯です。近年は煙突前に捨て間を作っていくらかコントロールし易くされる方が多いようで、この窯にも捨て間が築かれていました。

一度だけ、旭川の工房から作品を運んでこの窯を焚いてみましたが、案の定コントロールが難しく僕の狙い通りの焼き方が出来ませんでした。そもそも、北海道の粘土を使って釉薬を掛けてうつわ作りをしている僕にとっては安定した温度上昇ができる登り窯の方が向いているように思います。

旭川から片道6時間をかけて通うことも現実的に難しいので、窯を移築することにしました。
平塚先生が丹精込めて築かれた窯を解体するのは心苦しいのですが、僕が引き継ぎ利用することを知れば、きっと喜んで下さるだろうと思い、木槌を振りました。

窯の他に窯場や薪小屋もそのまま放置せずにすべて解体しました。
先輩陶芸家が夢を形に、、、その片付けは後輩陶芸家の責任のようにも思います。
綺麗いさっぱり。

耐火煉瓦や薪、木材など、トラックに積み込み旭川まで4往復してすべて運びました。
僕の夢の跡は誰が片付けてくれるのかな、、、、楽しみです。

薪窯づくり5 一個のレンガから始まる大宇宙

(2014年10月14日 記事)

いよいよ薪窯作りが始まりました。
まずは砂利で窯の基礎部分が水平になるように安定させます。
砂利を窓から屋内に入れなければならないので、タイヤショベルが大活躍です。

浴槽に砂利を入れます。ボイラー室だったところと浴槽の段差を上手く利用して窯を作りたいと考えています。
ランマーでしっかり叩きます。

その上に砂と耐火材を重ねて耐火煉瓦を敷き詰めます。
燃焼室は少し大きめに作ってみようかと考えています。
上手く行けば火前で面白いものが焼けるかもしれません、、、

側壁を積んで行くと窯らしくなってきました。

窯を作るのは久しぶりです。一段一段耐火煉瓦を積んで行く作業はとても楽しいものです。

薪窯づくり6 アーチは凄い!

(2014年10月14日 記事)

窯の焚き口部分にアーチを組みました。
アーチは木枠でかまぼこ型のものを作ってその上に台形になった耐火煉瓦を積みます。
積んだ後に木枠を外すとアーチが出来上がります。
いつも、崩れない事に感心します。こういう工法を考えた古代人はたいしたものです。
アーチを作り始めると窯の全体像を思い浮かべ易くなります。

耐火煉瓦を重ねるにつれて、側壁が上がってくるので上段の窯底も作らなくてはいけません。
壁を解体した時に出たコンクリートブロックを再利用。
ブロックにはタイルがついていますねー。
鉄パイプを数カ所打ち込み、砂利を入れてしっかりブロックを固定。
この上は煙突前の火遊びの間(捨て間)となります。

作品の焼成部分はほぼ一段で済ませようと考えています。
2段から3段の登り窯の方が効率はいいのですが、今後の展開次第で考えたいと思います。

薪窯づくり7 天井は慎重に

(2014年10月14日 記事)

いよいよ燃焼室の天井を作ります。
窯の天井もレンガで作らなくてはなりません。
曲面になるように積みます。

まずはコンパネを半円形に切って立てて並べます。
レンガが乗るので、ある程度しっかりと固定する必要があります。
ただ、積み終わったらこれらは撤去するので頑丈にしすぎるとその作業が大変になります。
竹を縦割りしたもを幾重にも重ねて作る方法もありますが、北海道にはそのように使える竹がないので、この方法にしました。

その上に短冊切りした薄いベニヤを釘で打ち付けます。

何枚も重ねて曲面を完成させました。

この上に横から見ると台形になっているレンガを積みます。
このレンガはアーチレンガとかセリレンガと言います。
当然ながら重ねるごとに曲がります。
一気にどんどん積みます。曲面に合わせてレンガを加工するのが大変です。
レンガの切断にはコンクリートエンジンカッターを使っています。
こいつはサクサク切れます。しかも水を出しながら切れるので粉塵もありません。

中央部分で合わせます。
合わせ目には鋭角にしたレンガを叩き込みます。
これが、緩いと天井が落ちてしまうので、しっかりと叩く必要があります。

いよいよ内側に入って支えとなっていた木材を外します。
天井が落ちてくるのではないかと心配しながら、自分を信じて少しずつ外します。
合わせ目も上手く行っているようです。

この上にまたレンガを乗せて2重にします。
とりあえず第一関門突破

薪窯づくり8 おもいでレンガ

(2014年12月1日 記事)

レンガを積むごとに、どんどん上段に向かいます。
大忙しです。

湯船に薪窯が入っているのが笑えます。
どんどんレンガを積み重ねて、、、、
いよいよ一段目の焼成室の天井も仕上げて行きます。
この段はかまぼこ型にアーチを組みます。
まずは、その受けを乗せます。三角に尖ったレンガです。
この受けのレンガは特殊なもので、とっても思い出深いものなんです。

このレンガは僕が20歳の時に手に入れたもので、22年のプレミアものです。
信楽で陶壁画やステンドグラス、石モザイクなどを手がけておられる田ヶ原さんが、当時ご自身の窯を作るために、陶器工場のとっても大きな窯を壊してレンガを調達しておられ、その作業をお手伝いした時に頂いたものです。
重たいものですが、長年大切にしていました。
いよいよこれがしっかり治まる場所が出来たことが、何とも感慨深いです。

燃焼室同様に中に木枠を作ってアーチレンガを積みます。

下から見ると結構な高さになります。

木枠を抜いて、一段目がとりあえず出来上がりました。
いろんなところからかき集めて来たレンガなので、モザイクのように色とりどりで面白い。
苔が生えているレンガなんかもありますね。

どんなものが焼けるのか、、、考えるだけでワクワクします。