ミートディッシュ団欒

ミートディッシュが新店舗になってから初めてきました。
以前の店舗に比べるとスペースも広くなったし開放的だ。
そして何よりも1階なのがいい。

展示スペースがどのくらいか分からなかったので、多めに送ったのだが
会場を見たところ調度いいみたいなでほっとしました。

25日、26日の2日間はミートディッシュに在廊しました。
お客様は熱心にうつわについて訪ねてこられ「うつわ」に親しんでいる感じが分かる。
さすが、うつわの専門店だ。
僕は滋賀県に住んでいた事もあって、昔からの友人や知人も多く来てくれました。
自分の仕事の成長ぶりを見せる事が出来るのは嬉しいものだ。

連日、オーナーの磯部さんと暇さえあれば「うつわ談義」。
有意義な時間を過ごす事が出来た。

磯部さんは若手作家からの人望も厚く、アニキっていう感じ。
夜は連日の飲み会となった。
日頃、一人での作陶生活なので毎日のように作家達と語り合えて嬉しかったです。
井内素さん、八田亨さん、二川修さん、ありがとう。
スタッフの皆さんも本当に優しく接して頂きました。感謝です。

個展はまだ、4月2日まで続きます。是非お立ち寄りください。

月寒あんぱん

大阪のミートディッシュの個展に向かう。
以前は旭川空港から関西国際空港があったのだけれども、コストダウンで無くなってしまった。新千歳空港からの搭乗となった。
新千歳空港で楽しみの一つは、この大好きな「あんぱん」をゲットすることだ。

北海道人に親しまれている「月寒あんぱん」その歴史は古く創業以来100年のベストセラーだそうです。十勝産の小豆(こしあん)が絶妙。
普通のあんぱんのイメージとは全く違っています。札幌では比較的に手に入りやすい。
是非味わって頂きたい北海道を代表する菓子です。

北海道からでかける時には、20代の頃はもっぱらフェリーだったが、
最近は飛行機に乗る機会が多くなった。飛行機では窓側が嬉しい。
空から眺める景色は非日常の世界だ。色々な発見がある。

こういう雲の上を飛ぶときは、雲の流れが様々に変化しているのを観察するのが楽しい。
雲は地上からよりも、上空から見た方が立体感がある。

地球は美しい。

地鎮祭

今日は早朝から、地元集落の地鎮祭でした。
春と秋の2回行う恒例行事で、農家の多いこの地域では皆さん熱心に取り組んでいます。
陶芸家であっても、土を掘って使っているので土地の神様に感謝を伝えるために、
僕も出席させて頂いています。今回は我が家を含む、近所の5軒ほどが当番になっていて、
旗を立てたり、お供えの準備などをしました。
若輩者の僕の役割は、お供え物にカラスが寄らないように見張っているぐらいです。

お供えには、この土地でとれた米、作物、鯛、塩、酒、餅が並べられます。
石碑にかけたしめ縄も作ったものです。
昔読んだ本で、しめ縄は作物を食べてしまうネズミの天敵である蛇を表していると知ったが、
このしめ縄はツチノコのようにぶっとい。心強い。

明治45年にこの石碑が建立されたらしい。
この村は明治19年ぐらいに開かれたのではないかと村の年寄りが話してくれた。
昔の開拓の話を聞くと、想像を超えるような苦労が分かる。

神主に祝詞(ノリト)を揚げてもらう。

参拝者は、ほとんどが高齢になっている。
過疎化が進み、村の行く末を皆が案じている。

東日本大震災では地域の結束力が避難生活を支えていると聞きます。
地域住人のコミュニケーションを受け継いで行くためにも、
続けて行くべき伝統行事だと思いました。

願わくば、この土地の神様も被災地の人達に力を貸してあげてくれないだろうか。

ビアジョッキーなマグカップ

朝、ロクロの前に立って、何をまず作ろうかと考えた。

「ビアジョッキーなマグカップ」にしてみた。

 2年前のことだ。このマグカップの制作を電話で依頼して来たのは、旭川に在住のご老人だった。「コーヒーが500ml入るようなマグカップが欲しい」と頼まれた。

「それってビアジョッキーじゃないですか」僕は即座にそう言った。
 ご老人は「なかなか思うような大きさのマグカップが無いんだ、コーヒーをガラスのビアジョッキーで飲めないだろう」とお困りの様子だった。その依頼の内容の面白さから、依頼を受けた。通常、個人からの少量の注文を受けるときは慎重になる。何故なら、失敗を見越しての安全策で倍の数を作らなくてはならないからだ。

 「ビアジョッキー」の意識で「マグカップ」を作るのはなかなか難しい。あまりゴツくならないように本体を作る。

  結構大振りなので、取っ手をどのようにするかも悩むところだ。
 やはり1番は持ちやすさ。2番目は強度。
 きっと、年齢を重ねると握力も無いだろうから、思いっきり太くしてみようと思った。

そして、出来上がったのが、このバナナハンド!中は空洞になっているから軽い!

黄色く焼き上げるので、取っ手のところはバナナみたいになるのです。
さて、どうですか、マグカップに見えますか?    でも大きさはビアカップ。

 マグカップが出来上がったので、ご老人に電話したところ、受け取りに来ると言う。
 車を運転してこられたご老人を客間にお誘いしたが、車から降りようとはしなかった。
 おもむろにご老人はドアを開けて指を差した。見ると、片足が無かった。

 義足を付けるのが面倒なようで、窓越しに出来上がったマグカップを渡した。
 一目見て、大変喜んでくれた。こちらもほっとした。

 ご老人は16歳で日本国軍に志願して、南方の最前線で戦ったという。
 その時に足を負傷してしまったらしい。
 戦後は、旭川で洋裁店を自営して、苦労して子供を育て上げたという。
 このような体験を笑顔で話しているご老人の姿に僕は感銘を受けた。

 ご老人はアクティブで、夏はスキューバダイビングをするという。
 陸で歩くよりも海の中の方が体の自由がきくらしい。
 何年か前には、南方の島にも行ったとのこと。

「会いに行くのを楽しみにしていたんだよ」とご老人。
 僕が神妙な顔で「そうですか、亡くなって行った戦友たちですね」と言うと、、、

 老人はキョトンとして僕を見て「南の国のお魚だよー」と言った。
 素晴らしい前向きなポジティブ思考だ。

 ご老人のマグカップの注文は2個、結局、余分に4個が手元に残ってしまった。

 デカすぎるマグカップはビアカップにもなれずに、作業場の片隅に眠る事となった。

 数ヶ月の後、ギャラリー一葉のオーナーの岸本さんが来訪した際に、このマグカップを見つけた。彼は「これはいいよ。元気が出るマグカップだよ」と言って2個お買い上げになった。

 僕は作っておきながら、その良さが自分ではなかなか分からなかった。
 とにかく、コーヒーをたっぷり入れて飲んでみた。
 コーヒー2杯分入る。
 朝、新聞を読みながら、ゆっくりとした時間を過ごしたい時には十分な量だ。

 きっと、ご老人は何回も立ち上がったりしないで、2杯分のコーヒーをゆっくり飲みたかったに違いない。僕はやっとその事に気がついた。

 僕の作った「ビアジョッキーなマグカップ」を手にしているご老人の姿を思い描くと、なんだか僕もやっぱり、元気が出てくるのです。

カマクラ思考

裏山から帰ってきて、何となくスコップを手にして雪を突いていたら、無性にカマクラを作りたくなってしまった。北海道はあまりにも寒く、冬の間はパウダースノーでなかなか雪が固まらない。雪像などを作る時には、水をかけて水分を加えて作っているんです。しかし、今日の雪はしっかりと固まるくらいに湿っていて、ちょうど良かった。
 早速、スコップで立方体に雪を切り取ってせっせと積み上げていきました。
黙々と積み上げて、作業は1時間ほどであっという間にカマクラが出来上がった。

 何となく「カマクラ」というよりも「窯」という感じになってしまった、、、(苦笑)
中は結構広くて、大人が3人ぐらいはなんとか入れる大きさとなった。

夜になって、カマクラに行った。
そして、ロウソクに明かりをつけた。

震災で電気を失い、暗い夜を過ごさなければならない人達にとって、ロウソクのこの小さな「トモシビ」というものは、きっと「絶望という暗闇」にかすかな「希望」を与えているのではないだろうか、、、つくづく思った。

僕の「うつわ」も、この小さな「トモシビ」のようになりたい。

春はすぐ、そこにある。