(2015年6月22日 記事)
ビックリするほど順調に温度が上昇したので、2日目に作品の置いてある空間に薪を横から投げ込みました。温度はどんどん上昇し続けていくので、ダンパーで調整しました。
煙突に繋がる所を板を押し入れて炎の通り方を調整するもので、これで炎の抜けを悪くします。
微調整は煙突の下に開けたエアダンパーで冷たい空気を入れることによって炎を押さえます。
煙突の下まで炎が流れています。
1000度を超えると窯の中の火の色も変わってきます。
薪を入れるとものすごい勢いで火が吹き返してきます。
「土を薪で焼く」今も昔も陶芸の醍醐味なのでしょうね。
さすがに寝不足もあって2日にもなると疲労もピークになってきました。
最高温度になってくると動きも慌ただしくなります。
友人や家族の応援もあって、なんとか66時間で焼成することが出来ました。
次にはもっと効率よく焼くことが出来そうです。
窯の中に配置したゼーゲルコーン(温度測定物)を見ると、おおむね安定しているようでビックリするほど設計が良かったようです。
この窯のポイントは燃焼室を大きくして、温度上昇を安定させ、燃焼室から焼成室までの段差を設けることで火の勢いを弱めてストレートに煙突まで流れないように考えてみました。
ただ、焼き易いからといって中身がいいとは限らないのが陶芸の面白いところです。窯は扱いにくいほど、時として突然変異的な想像を超えたものが出るものなのです。
いずれにしても、登り窯としてはうまく出来たようです。
後は、窯出しを待つばかりです。
窯づくり、窯焚きが終わって とりあえずホッとしました。
窯出ししたものは、札幌三越 アートギャラリーで2015年6月23日から29日まで開催されます『工藤和彦作陶展』初窯展 で発表いたします。是非、会場で手にとってご覧ください。