華瓶(ケビョウ)

今年の始めに「華瓶」(ケビョウ)というものの存在を知りました。
「華瓶」は仏具の一つで、よく仏壇などで見かけるものです。
仏像の両脇などにも置かれています。
金属で出来ているものが多いですが、磁器や陶器もあります。
その形は古来よりあまり変わっていないようで、さかのぼると須恵器の時代にも同じような形がありそうです。

(工藤和彦作・白樺ホワイト華瓶 / 花 角島泉)
特徴的な形ですが、お花を差すと花と調和して、その凛とした佇まいに、何とも言えない精神性を感じます。
先日、この「華瓶」をご購入頂いた方から、お便りを頂いたので紹介させていただきます。
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工藤和彦様
お作品、あたたかい贈り物を頂いたような気持ちでおります。
包みを開けるのももどかしく取り出すさまは、懐かしい昔話を彷彿とさせました・・・竹取物語。姿は白樺、なのに手のなかに収めると小さな炎を抱いているような気がいたします。
さっそく小さな百合を活けました。
白樺の木がとても好きです。白樺を美しいと思う人の気持ちは、みな一緒のように思います。それが器になり花を活けることができる。夢を幾重にも大きくして叶えていただいたような気がしています。
どうしても一言お礼をと思いメールをさせていただきました。
部屋の中で、今、あの花瓶だけが息をしているようです。
北海道の厳しい自然から生まれたお作品が、2億年という時間を乗せて我が家にやってきました。
こんな嬉しいことがあるでしょうか。
92歳になる父も、とても喜んでおります。あそこへ置こう、いやいやこっちにしましょうと、かしましく遊びました。
楽しいひと時をありがとうございます。
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お部屋の中の百合一輪の華瓶の佇まいが目に浮かびます。
励ましのお便りに感謝です。

それにしても「華瓶」というものには、何か特別な力があるように思えてなりません。

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