
ロクロを回すと円形のものが容易に出来ます。だから湯のみ、皿、鉢など多くのものは円形です。
しかしロクロ成形は、少し工夫をすることで、円形から形を変化させる事も出来ます。
今日はロクロで成形したものに変化をつけてみました。まずは六角形の鉢です。
右上の円形の鉢から六角の鉢に変化させていきます。
粘土という素材は、水分が蒸発して固くなるまでは、その可塑性によって自在な変化を可能とします。この特性を生かして、円形に作ったものを、石膏形にかぶせて、加減しながら石膏型に押し付けて密着させて行きます。そして石膏から外せば、このように六角のうつわが出来上がり。
この技法は昔からあって、「型打ち」というものです。たいてい高台はロクロで削るので複雑な形状に対して、高台は円形となります。複雑な形のものを効率よく沢山作る時にはとても有効な技法です。

ロクロで円形に作ってから、形を変形させる方法にはいろいろあります。右のものは、円形のものを竹べらで内側に曲げて変形させたものです。
この形は「木瓜形(もっこうがた)」というものです。
「木瓜」(ぼけ)は梅の花に似た4弁花なので、この形にちなんで名付けられたようですよ。
ちなみに「六角」というものも「亀甲」などを表している事も連想されますね。
いろいろな形状から、うつわを楽しむ世界も広がっているんですなー。
シミジミ奥が深い。