ゴールドラッシュ!金塊はどこに

3月11日に福島の第一原発が地震と津波によって、大事故となってしまった。現場職員の懸命の努力によって、幾分は落ち着いているようだが、一ヶ月たっても「安全」には、まだほど遠い状況のようだ。
 近隣の住民は避難生活となって不安な毎日を過ごしている。電気の窯を使って日常的に電力消費の多い者としては、電力会社が違っているものの心苦しく思っています。一刻も早く解決出来るように祈っている。

 ところで、陶芸家にとって「福島」というと「福島長石」をまず連想します。長石というのは釉薬を作る時にもっとも重要な原料です。だからこのような放射能の問題があって「福島長石」は大丈夫なのか?と思っている人もいるかもしれませんが、全く問題ありません。なぜなら現在流通している「福島長石」とされているものは、もともと福島で産出しているものではなくて、昔に産出していた「福島長石」の成分に近づけて輸入原料などを調合して作った合成のものなのです。

 「本物の福島長石をやる」といって年配の陶芸家から15年前にもらった事を先日、思い出しました。当時、その有り難さが若い僕には理解できずそのまま眠っています。物置を探すとありました。これがホンマモンの福島産の長石です。鉱山が閉鎖されたから40年ぐらいはたっているはずなので、今となっては貴重なものですね。

 僕も福島長石を使っていますが、それは合成されたものです。この石をしばらく眺めていたら、、、きっと、北海道にも使える長石があるんじゃないかと思い始めました。常々、出来るだけ身近な原料を使う事は陶芸において重要な事だと僕は考えています。そんな考えを、親しい陶芸材料店のオヤジさんに話してみると、それらしき物があるぞと教えてくれました。そして、さっそく一緒に石を探しに出かけてみました。

 鉱物を探す時にはやみくもに動いてはダメ。一番探しやすいのは採掘現場です。露出しているのでよく地層が見えます。それが無い時には沢沿いです。旭川から2時間車を走らせて何となく良さそうな場所を見つけました。ここら辺はその昔、金を掘っていた場所だとか、、、、、長石探しが、急遽、「金」探しに、、、、
 でも、何十トンという土石から何ミリグラムという採掘量では、今の時代はやはり携帯や家電を集めて採取した方が採算がとれるのでしょうね。
 ここもすでに閉山しています。

 ここで採取した転がっていた石です。うーん使えるのかな?こいつ。 確信はないのですが何となくデイサイトではないかと僕は思っています。仮にそうならば斜長石(カルシウムの多い長石)も含まれているので、長石といえば、長石、、、かも?
 とにかく、焼いてみないと使えるのかどうかは何とも言えません。
 これから色々実験してみます。

 これでスゴイ釉薬が出来たら、、まさに金塊を見つけたようなものですなー。(ガーハハハハ)

 こんな小さな「欲」につくづく僕は幸せを感じます。

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