久々に音威子府の筬島にある砂澤ビッキのアトリエ3モアに行ってきました。
旭川からは高速などを乗って車で2時間ぐらいです。
北海道の自然と対峙してアイヌの家系である自分の原点を見つめ直し、
その芸術性を昇華させた素晴らしい彫刻家です。
ビッキさんにはとても勇気づけられます。僕にとっては北に瞬く巨星です。
せっかくなので、今回は久々に「ビッキの木」に行きたいと思っていました。
実は大雨による土砂崩れで林道が通行出来なくなって、
しばらく行くことができなかったのです。
しっかり林道は修復されており通行出来るようになりました。
しかし、ヒグマの生息しているこの一帯の
原生林の奥深くに入るのは、とても怖いので、
友人の音威子府役場の宗原さんにガイドをお願いしました。
砂利道の林道を走っていくと、いたるところにやっぱりクマの糞が目につきます。
「ビッキの木」に到着。
この木は一目で、これがそうだ!と分かるくらいの存在感があります。
ビッキの木は道端にあるのですが、片側は崖になっています。
こんな太い木が、よくこんな崖に自立しているのが不思議に思いますが、
厳しい局面にありながら、どっしり構えている姿は「ビッキさん」を彷彿させます。
宗原さんによると、この木はアカエゾマツといい。たいていは群生するものだそうです。
しかし、この木の周辺にはアカエゾマツはありません。
こういう群れない孤高な姿も「ビッキの木」と言われるゆえんだそうです。
ビッキさん自身も何度かこの木に対面しており、とても気に入っていたそうです。
大木の表面はビッキさんのノミのあとのように荒々しいです。
作品のイメージはここから来ているのかもしれません。
このようなアカエゾマツの大木は珍しく、
すでに老木となっているこの木も
いつまで持つか分からないそうです。
自然の成り立ち
「森羅万象」をこの樹、この森は語ってくれているようです。
ビッキさんはこの樹の前に立って何を想ったのだろう。